宇宙兄弟の名言集~マンガ1巻 ヒビト「僕より先に月面を踏むはず・・・」
「僕より先に月面を踏むはずだった人が、今この場にいないのは残念です」(ヒビト)
この言葉は、宇宙兄弟のはじまりを指し示す言葉でもあると思いますし、ゴールを指し示す言葉でもあると思います。
ヒビトは、この言葉を月面に行く前にNASAの記者会見で言いました。
全米、もしくは世界中に放送されているテレビで、名前は出さなかったですが、ムッタのことを話したのです。
わたしは宇宙兄弟を読む前、兄弟が仲良く力を合わせて宇宙を目指す!というお話だと思っていたのですが、わたしの想像とは全く違いました。
すでに弟のヒビトは宇宙飛行士になっていて、兄のムッタは日本で会社をクビになったという、正反対の立場にいたのです。
ヒビトはムッタに対して決してやさしく接したりはしません。
むしろドSくらいの勢いでムッタにはっぱをかけてきます。
ただ、ムッタの能力を一番理解して評価しているのもヒビトだからこそ、NASAの会見場で話題に挙げたのでしょう。
この言葉の意味が分かる人間は、ヒビトの両親とムッタくらいです。
そしてこの言葉は、ただ一人、ムッタに伝えたかった言葉だったんだと思います。
現実世界において、自分にライバルがいて強烈にはっぱをかけられる経験をしたことがあるのですが、やはりその時はいつも以上に「負けてたまるか!」と思い、頑張った記憶があります。
ヒビトはムッタに、NASAの会見上というこれ以上ないほどの舞台から、強烈なメッセージを送りたかったのでしょう。
ヒビトはムッタを、兄弟であり、ライバルであり、仲間だと思っているからこそ出た言葉だと思います。